もう過ぎてしまったけど
1998年かな。
9月9日は
歌舞伎座の女王という曲が発売された日であります。
当時の「あたし」は
この曲で彼女を知り
その瞬間から
椎名林檎を崇拝しては
この曲が収録された無罪モラトリアムというアルバムを擦りきれるのでないかと思うほどにCDを聞いていたのです。
あの頃の彼女は
世の中のたくさんの女の子を魅力し
魅力された女の子は
これはまるで
「あたし」のために作られた歌だと勘違い
そして愛してやまなかったはずです。
彼女は40歳になった時
「この年齢になってやっと好きなことが書ける」と言いました。
それを見て
「あたし」の中で彼女は今でも女王で
初めて彼女のことを知った時の衝撃と
またそれを相反するように抱いた違和感は
いまでも健在であることを確信したのです。
かくして
この日は歌舞伎座の女王が世に出た日です。
この日に「あたし」はいっぱい生まれました。
映画的でもあり、小説的でもあり
やはり自分の中にいる
「あたし」が刹那的だろうと思うのです。
大阪に住む「あたし」は
いつか新宿駅の改札を出て
「あたしの庭」で豪遊してみたいと今でも思う。
その時は
あの頃の「あたし」と会ってみたい。
と、願い
その日を楽しみにしているのです。
歌舞伎座の女王に愛を込めて。