女の子に見間違えるほど可愛らしい顔立ちだけど、さすがに「可愛い」と言ったことはない。会ったらあいさつを交わし、たまに上司に毒づく彼の話を聞き流していたような、関係…だったはず…
「ん…は…、んぅん…」いつの間にか私からも甘い声を漏らしながら求めてしまっている。ふと我に返って熱が顔を覆うけど、隊長は、今…どんな顔をしているのか…。
名残惜しく唇が離れていく。
「エロいねィ…キスがお好きですかィ…？良い声出してましたけど」「…ぁ、ん…！」隊長は楽しそうに問い掛けながら私の耳を指先で擽り、軽く噛み付いた。ぞくぞくする感覚に自然と声が出る。「あれィ…？耳も弱ェとか…？ん…？」「…っ、そんな…じゃ…」「へェ…」ぺろぺろ。「はぁんっ…！やめ、舐めないで…っ」「弱くねェんでしょ、平気なんじゃねェんですかィ？」「…くすぐったい……」「じゃ、噛み付いてやりやしょう」「やっ…！やぁんん…！」「かわいいねィ…赤くなって…奥まで俺の唾液でヌレヌレ」「…っぁ、も…だめです、からぁ…」「…ハイハイ…。」真選組の隊長とはいえ、まだ未成年のはず…。そんな少年にこんな状況下とはいえ、キスや耳を責められたくらいで喜ばせちゃう反応をしてしまう私は…
ひょっとして、淫乱…？違う、これはそもそも隊長が仕組んだことで…其れに今は…飲まれてしまってるだけ。誰だって突然、こんなことになったら。それも、好きな人に…。色々、おかしくなってしまうのが、きっと、普通。きっと…
「…俺がなんで…とか思ってやすかィ？最近…仕事に行ってねェですよねアンタ。毎日家に篭って…何があったか知らねェが…身体にも心にも良くねェよ、そんなの。俺も真選組として、善良な市民を守りその役に立つのが任務ですんでねィ…。アンタの役に立ってやりやしょうってこと…。ありがたく思いなァ」「………。」
きっと土方から聞いたのだろう、私が職場に馴染めなくて仕事に行けず引きこもったなんて話を…。この子なりに、励まし？てくれてんの？これは…いや、慰め…？
「返事は？」くい、と手荒く顎を上げさせられる。「…は、い…」「いい子」ちゅっ、と触れるだけのキスをされた。…何だろう、この嬉しさ…？調教、されてる…？我に返ると、何だか怖くなってきた。どうにか逃げられないかな…？隊長の機嫌をとってみたら…？
「た、隊長…あの…」「何ですかィ」