私の好きな医療小説「チームバチスタの栄光」には、ある役割があります。
この小説を面白いと思ってもらい、広めることで「A i」についての知識も普及したい、というメッセージ性があるのです。
この「A i」というのはAutopsy imaging、死亡後の画像診断のことです。
亡くなった原因がはっきりしない患者様には解剖のお勧めがされますが、事件性があるといった「司法解剖」でない場合は強制力がないため、ご家族が「もう亡くなっているのだから」と解剖に同意されない場合も多いのです。解剖は嫌だけどCTのような、ご遺体に傷がつかない方法だと家族の抵抗は少なくなります。
ただし、医療者の方にも「死人に検査をする」という事には抵抗があります。治療につながらないからです。保険もききません。
こういった問題提起の意味合いのある小説という事でも医療関係者の間では注目されました。