三年の冬。一年生の後輩の彼女ができた。
中学から同じ部活で、ずっと好きだったと告白をされ付き合うことになった。本当に好きかといえば、まだそうでもない。でも見た目が好みだったのでオーケーした。
部活の帰り道。少し積もった雪に、嬉しそうに足跡をつけていく彼女。
センパイ、見てー!雪ウサギー!
しゃがんで雪玉を作っていると、手のひらサイズのウサギを子供のようにはしゃぎながら見せてくる。
ぴょんぴょん跳ねる度にポニーテールの髪がさらさらと揺れる。思わず見惚れていると、近くで顔を覗かれる。
…センパイ?
大きな瞳に自分のだらしない顔が写っていた。
化粧けのない白い肌。寒さで紅潮している頬。大きく見開かる茶色がかった瞳。薄く笑みを浮かべるぽってりとした下唇。
誘われるようにキスをする。
びくんと体が跳ねたのがわかった。
両手で頬を包み込み、ついばむキスを繰り返す。
一度唇を離し反応を見る。
んっ…ぁ…せんぱい…?
とろんとした潤む瞳で見上げ、唇の隙間から舌先が見えると、一気に自分の血が沸き立つ。その先に誘われるように、また唇を重ねる。
ぬるっ…くちゅくちゅっ…ちゅぷっ…
んっ!…ふぅん…んぁ…ふぁ…
夢中で小さな舌の感触を味わった。必死で答えてくれる彼女がどうしようもなく愛おしい。
ん…あ…はぁっはぁ…
白い息が吐き出され、真っ赤になってる彼女を見つめる。
センパイっ…ここでするなんて…!
ぷるぷると怒りで震えてる姿がまたたまらなく可愛い。ふらっとまた顔を近づけると突然冷たい感触に遮られる。彼女の濡れた手袋が口に押さえつけられていた。
も、もうだめです!外です!
真っ赤になって怒る。あ、好きだ!確信すると、勢い良く立ち上がる。
きゃっ!お、怒っちゃいましたか…?
嫌ではなくて…あの、恥ずかしかっただけなんですけど…。
怒っていたかと思えば今度はおろおろと狼狽える。もうあっちが限界だった。ぎゅっと手を繋ぎ、足早に帰路を急ぐ。
今日家寄ってけよ。
いいんですか?センパイのお家初めてです!
もう我慢できない…。俺の決意を知る由もなく嬉しそうな顔をしながら歩く彼女。
拒否られたら…いや、それはそれだ。とりあえずダメもとで…イク!!
つづく。