お会計に向かうことができない彼女
顔は青ざめ、冷や汗もかいている
そして明らかに挙動不審だ
…
これが「おつり恐怖症」の発作なのだと
記者は感じた
しばらくして彼女がゆっくりと
お会計に向かう
そこには
この店の女主人なのか
彼女が来るのを笑顔で待ち構えている
彼女「す、すみ、ません…
一万円札でもいいですか…?」
しばらく沈黙が続いた
記者も固唾を飲んで女主人の言葉を待った…
女主人「…はい!大丈夫ですよ!(・∀・)」
彼女「す、すみません…」
そう言いながらおつりを受けとる彼女
店を出て車の中で彼女が落ち着くのを待って
記者は声をかけた…
記者「お会計の時はいつもあんな風に?」
彼女「…いえ…、多分なんですけど
総額がいくらになるかわからない
例えばスーパーとかドラッグストアーとか
そういうところは大丈夫なんです…
やっぱり今日みたいなラーメン屋さんとか
あと、お祭りの屋台とか…
あ、美容室もそうかもしれません…」
記者「そうなんですね…、今まで一万円札を
出したことで非難されたことは?」
彼女「いえ…、ありません…だけど
おつりも用意していないだらしのない女だって
心の中で思ってるんじゃないかって…
そう思うと恐くて仕方ないんです…」
記者「それは、お辛いでしょうね…」
…
こうして取材は幕を閉じた…
記者はこの取材を通して
一つのある結論にたどり着いた…
…
それは
…
「彼女はただの…」
「自意識過剰な女だ」
ということだ
完